林蔵
林蔵(りんぞう)†
又市と義兄弟の杯を酌み交わした小悪党。上方では一文字屋仁蔵の手下として仕掛け仕事をしている。
決めぜりふは「これで終いの金比羅さんや」。
経歴†
江戸を出た又市と大津で知り合い、手を組むようになる。当時は痩せた汚い餓鬼だったが妙に調子が良く、女の尻ばかり追いかけてる考えなしの馬鹿野郎。さらに公家のご落胤を自称していたが真相は不明。
摂津の代官所の件の16年前、一文字屋仁蔵の指示で辰造に仕掛けを施そうとするが、お栄の密告により露見。辰造一味に斬られ、恋仲だったお妙は殺される。又市によって助けられるが上方にいられなくなり、江戸に流れる。江戸では縁起物売りをしつつ、ゑんま屋の損料仕事を請け負う。
又市に付き纏っていたおちかに本気で惚れるが、不注意から「祇右衛門」事件におちかを巻き込み死なせてしまう。この事件をきっかけに、再び上方に戻る。
上方では、表向きは天王寺で帳屋(紙に帳面、筆一式、そうした書き物道具全般を扱う商い)を営む。帳屋は店先に笹竹を立てるが、林蔵の店は竹の先に樒が括られていることから「樒屋」と呼ばれる。看板は「帳屋林蔵」。
一方では又市の仕掛けに協力。また、2年前から横川のお竜と組んでいる。
お栄の策謀を阻止すると、再び上方を離れる。
言い寄ってくる女は相当多い。羽振りが悪い訳でもなく男振りも好いのに女気を嫌うのは、お妙、おちかの影響からか。
稲荷藤兵衛や冨久との一件では又市、平八、中禪寺洲齋などに化ける。
天保13年6月1日 蛭子の善治を倒す
外見†
見た目はさっぱりと垢抜けている。顔つきも整っている。切れ長の吊眼はどこか高貴な様子。鼻筋もすっと通っている。薄い唇は男のくせに朱く、色白の顔に妙に映えている。
つるりとした面体の狐のような男。
家族・親族†
別名・仇名・通称†
帳屋の林蔵、靄船の林蔵、削掛の林蔵、御託の林蔵(二つ名)、樒屋(通称)、林さん
登場作†
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