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林蔵 の履歴(No.4)


林蔵(りんぞう)

又市と義兄弟の杯を酌み交わした小悪党。上方では一文字屋仁蔵の手下として仕掛け仕事をしている。

決めぜりふは「これで終いの金比羅さんや」。

経歴

江戸を出た又市と大津で知り合い、手を組むようになる。当時は痩せた汚い餓鬼だったが妙に調子が良く、女の尻ばかり追いかけてる考えなしの馬鹿野郎。さらに公家のご落胤を自称していたが真相は不明。

摂津の代官所の件の16年前、一文字屋仁蔵の指示で辰造に仕掛けを施そうとするが、お栄の密告により露見。辰造一味に斬られ、恋仲だったお妙は殺される。又市によって助けられるが上方にいられなくなり、江戸に流れる。江戸では縁起物売りをしつつ、ゑんま屋の損料仕事を請け負う。

又市に付き纏っていたおちかに本気で惚れるが、不注意から「祇右衛門」事件におちかを巻き込み死なせてしまう。この事件をきっかけに、再び上方に戻る。

上方では、表向きは天王寺で帳屋(紙に帳面、筆一式、そうした書き物道具全般を扱う商い)を営む。帳屋は店先に笹竹を立てるが、林蔵の店は竹の先に樒が括られていることから「樒屋」と呼ばれる。看板は「帳屋林蔵」。

一方では又市の仕掛けに協力。また、2年前から横川のお竜と組んでいる。

お栄の策謀を阻止すると、再び上方を離れる。

言い寄ってくる女は相当多い。羽振りが悪い訳でもなく男振りも好いのに女気を嫌うのは、お妙おちかの影響からか。

外見

見た目はさっぱりと垢抜けている。顔つきも整っている。切れ長の吊眼はどこか高貴な様子。鼻筋もすっと通っている。薄い唇は男のくせに朱く、色白の顔に妙に映えている。

つるりとした面体の狐のような男。

家族・親族

別名・仇名・通称

帳屋の林蔵靄船の林蔵削掛の林蔵御託の林蔵(二つ名)、樒屋(通称)、林さん

登場作

巷説百物語 帷子辻
前巷説百物語
西巷説百物語


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