伊佐間一成の履歴(No.3)

伊佐間一成（いさまかずなり）†

町田で「いさま屋」という釣り堀を経営している、味のある鯣のような男。30になりたて。中禅寺秋彦、関口巽共通の友人で、戦争中は榎木津礼二郎の部下だった。

もともとエンジニア志望だったが、仕事の成果を金に換えるという世界に馴染まなかった。戦争は何とか生き残ったが、復員船の中でマラリアに罹り、臨死体験。以来、何でも拝むようになる。

復員後は、実家の「旅荘いさま屋」（戦前は割烹旅館）にあった活簀を改造した釣り堀を任される。

趣味は魚釣り、笛を吹くこと（尺八、銀笛、ケイナなど）、廃材を加工して不思議なオブジェを造ること。

昭和23年　釣り堀を任される
昭和26年　父死亡
昭和27年9月22日　京極堂を訪問
昭和27年10月9日、島根の物部神社で雨宮典匡と出会う
昭和27年11月1日　佐田朱美と出会う
昭和27年12月4日　佐田朱美連行を目撃

トルコ人が被るような鍔のない奇妙な帽子を被り、ロシア人が着るような毛皮襟の防寒服を纏っている。鬢も襟足も短く刈り込み、口髭を蓄えているから、一見国籍不明。

顔自体は古の本邦上流階級を彷彿とさせる、俗にいう公家顔。切れ長の一重に細長く通った鼻筋。前歯2本がやや大きい。烏帽子でも被せてやれば、そのまま蹴鞠でも始めそうなご面体。

背は高いが猫背気味だから実際の身長より小柄に見える。動きもぽきぽきとして、枯れ枝のようだ。

父：死亡

姉夫婦：旅館「旅荘いさま屋」を継ぐ

いさま屋（屋号）、瓢箪鯰、河童（榎木津）