演歌師。
青年倶楽部の久田鬼石の紹介で弔堂を訪れる。
古びた紋付きの羽織に、矢張り皺の寄った袴を着け、そのうえ山高帽まで被っている。帽子の鍔の下からは黒黒とした髪の毛が覗いている。お世辞にも綺麗な身なりとは言えないが、何故だかそれなりに格好はついている。
面長の、強面。瞳は柔和そう。
添田唖蟬坊
書楼弔堂 炎昼 普遍